第24章 親子ってのは嫌なとこばかり似るものだ 〜危険な男〜
花火が打ち上がったその頃、銀時は口を少し開けて呆然と空に咲いた綺麗な花を見上げていた。
「やっぱり祭りは派手じゃねェとな」
銀時の後ろから、聞き慣れた声がした。銀髪の男が腰に携えた木刀を抜こうとしたが、後ろの男がそれよりも早く刀を抜いて銀時の背中に当てた。
「動くなよ」
「……」
銀時は黙って男の言うことを聞いた。
「ヘッ……白夜叉ともあろう者が後ろを取られるとはな。銀時、テメェ弱くなったか?」
「何でテメェがこんな所にいんだ?」
「いいから黙って見とけよ。すこぶる楽しい見せ物が始まるぜ」
高杉の言う通り、将軍の櫓を源外が襲った。そして、客が会場から離れようと逃げ惑う。
「覚えてるか? 銀時。俺が鬼兵隊って義勇軍を率いてたのをよ。そこに三郎って男がいてな。剣はからっきしだが、機械にはめっぽう強い男だった。“俺は戦しに来たんじゃねェ。親子喧嘩しに来たんだ”って……いつも親父の話ばかりしてるヤツだったよ。だが、そんなヤツも親父の元へ帰ることなく死んじまった。酷い話だぜ。俺たちは天人から国を守ろうと必死に戦ったってのに……肝心の幕府はさっさと天人に迎合しちまった。鬼兵隊も例に漏れず、粛清の憂き目に遭い壊滅。河原に晒された息子の首見て親父が何を思ったかは……想像に難くねェよ」