第24章 親子ってのは嫌なとこばかり似るものだ 〜危険な男〜
銀時と別れた昏葉は昼間に来た祭りの会場に来ていた。ーー平賀源外が意味深な言葉を残したのを心配して、ついて来たのだ。
「……」
ー何もないならそれでいい。ただ、何かあった時が……。
パーンッ!
昏葉が顔を俯かせていた時に、大きな音が上空で響いた。顔を上げると、綺麗な花火が暗い夜空に広がっている。
「お、始まったぞ。江戸一番のカラクリ技師、平賀源外の見せ物が」
見せ物を見に来た客が楽しそうに騒いでいる。
「……」
昏葉は後ろの方で、黙ってその様子を見ている。すると、突然カラクリが将軍のいる物見櫓に砲を向けた。
「撃て!」
そして、砲弾を撃ち放った。
「なっ!」
バッコーン!
大きな音がして、会場内に煙幕が広がる。
「……」
(広場から客を逃すために、煙幕を……)
「チッ!」
ー絶対にさせない。復讐なんて……悲しいだけだもの……。
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