第3章 何よりも自分の命を大切にしろ 〜白夜叉と紅〜
「……仲間……ね」
昏葉は懐かしむように目の前の男を見た。
「銀時、私たちはそんな“仲間”なんていう脆いもので繋がった仲なの?」
「……ちょっと違うか」
銀時も同じように懐かしそうに遠くを見ながら言った。
「脆いねー……でも、実際のところ、本当にそうだったんじゃねェの?」
その言葉を聞いた途端、昏葉の周りの空気が凍りついた。部屋も静かになる。
「……銀、本当にあんたはあいつが変わったって思ってるの?」
「……」
ーーあいつ、か……。
「へっ、あいつが変わろうが変わらまいが、俺には……」
「関係ない、とでも言うんじゃないでしょうね?」
「……」
昏葉はふーと息を吐き出すと、ピリピリとした空気を解いた。
「銀、あいつは……何も考えないであんなことをしているわけじゃないと思うの。だから……」
「言いたいことはなんだ」
イライラした様子で銀時は昏葉を睨む。
「俺は忙しいんだよ。さっさと用件だけ言え。お前に協力するかどうかは後で判断する」
「……」
昏葉はため息をついてから、真剣な目で話し始めた。
「ここに来る途中で、良からぬ噂話を聞いたの」