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短編集《 黒子のバスケ 》

第1章 我慢は体にも頭にも良くないよ/紫原敦


「紫原!!」
「げっ」



白の制服に身を包んだ巨体2つが忙しなく廊下を動く。
緑の頭に紫の頭。
ここは帝光中学校、2年生の廊下だ。
そしてそのカラフルな巨体2つというのは、バスケ部の緑間真太郎、そして紫原敦だ。
その2人がどうして廊下で競歩しているのかというと…



「お菓子を食べながら歩くんじゃないのだよ!!」
「えーーでもお腹空いたしーー」
「止まって食べろ!そして食べカスをこぼすな!」



そう、紫原がお菓子の食べカスをそこらにこぼし、それに痺れを切らした緑間が怒っているのだ。



「少しは周りの迷惑も考えろバカめ!」
「うるさいなーもー付いて来ないでよ」
「お前が止まればな!」
「あーもーやだーー」



そこまでして紫原がお菓子を手放さないのは、もはや病気である。



「いだっ」



そんな巨体2人の競歩に巻き込まれた、残念で可哀想な生徒が1人。



「あ〜ちんじゃん。大丈夫?」



それはバスケ部マネージャーのだ。
は普通に廊下を歩いていて、角を曲がったところで競歩中の紫原と激突した。



「鼻が…」
「あらら、赤くなってる」
「捕まえたぞ紫原!!」
「うげっ、もうミドチンしつこい〜」
「お菓子は没収だ!」
「はっ?!ちょ、ふざけんなし!!」
「鼻痛い〜〜」



廊下は一段とうるさくなった。
そこにその騒ぎを鎮める人物が現れた。



「おいお前達、うるさいぞ。ここは廊下だ」



それはこれまたバスケ部、赤司征十郎だ。
周りの生徒も安心したというように息を吐く。
……が、



「だって赤ちん!ミドチンがオレのお菓子取ったんだよ」
「お前がボロボロこぼすからだろう!」
「赤司君、鼻痛い〜〜」



やれやれ、とさすがの赤司も溜め息が出る。
そんな育ちの良い赤司は女性の扱いも完璧な様で、の鼻を優しく摩りながら大男2人をなだめる。



「緑間、お前の言い分はよくわかった。が、こうして被害が出ているんだ。もう少し考えて行動をしろ」
「む…」
「そして紫原。お前は反省しろ」
「え〜」
「確かにお前の食べ歩きはオレも困っていた。それを正す機会を緑間がくれただけのことだ。だから…」




そして紫原は自分の行動を深く反省することになる。



「いやあああぁーー!!!」
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