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短編集《 イロイロ 》

第4章 大きな背中/相澤消太





個性『抹消』
通称『抹消ヒーロー イレイザー・ヘッド』
大活躍しているものの、その姿を実際に見た者はほとんどいない。
どうやら彼は『メディア嫌い』らしい。

だが、そんな彼の普段の姿は、ヒーロー育成学校としても名高いここ、雄英高校で見られる。
…と言っても、勿論一般的には知られていないが。

雄英高校の教師はプロヒーローばかりだ。そのうちの一人が『イレイザーヘッド』こと、相澤消太。


「相澤先生ー」
「…なんだ」
「さっきの授業なんですけど…」
「ああ、そこは…」


相澤先生はヒーロー科のA組の担任。…なので、主にヒーロー科に付きっきりでサポート科や経営科は勿論のこと、普通科なんてのはほとんど関わりがない。授業でたまに来るかどうか、だ。


「ありがとうございましたー!」
「ちゃんと復習しとけよ麗日、蛙吹。…って蛙吹は問題無いか」
「ゔっ…」
「ケロっ」


ヒーロー科A組のお茶子ちゃんと梅雨ちゃん。とっても可愛くて優しくて、強い女の子。

そして遅ればせながら私は雄英高校普通科の特に特徴の無い一生徒。個性は簡単に言うと風を起こす…のだが、そこまで強力なものは出せずヒーロー科の入学試験は悲しくも落ちた。

二人とは体育祭であれこれあって知り合い、今ではたまに遊びにも行くほど仲良くなった。


「あ、ちゃんや!何しとんのそんなとこで〜」
「わっわわっ!シーッ!」
「…いや、今更だろう。お前、またそんなところでコソコソと…。どうした」
「え?!あー、いや、その、授業でわからないところがー…」
「…お前のとこのクラスに授業行ったのは2週間くらい前だと思うが?」
「あー…あー…」
「…相澤先生、私達は教室に戻るわ。ほら、お茶子ちゃんも行きましょ」
「えっ、えっ、梅雨ちゃん?」


そして前置きが長くなってしまったが、私は相澤先生が好きだ。こうしてたまに…いや、毎日、話すタイミングを伺っている。




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