第5章 再会
君菊も千も、私の一族が滅んだとき真っ先に来て私を保護してくれた。いわば、私の姉のようなもの。この恩もかえさなきゃ…。助けてもらったり、私はいろんな人に恩を返さなきゃならない。鬼として、紅月の当主としてその恩は返さなきゃ。もちろん、あの風間さんにも。
「…結ちゃん!終わったみたいだね!」
「はい。ですが、このような格好は慣れませんね。」
「私たちいつも袴だからね。しかもこんなに良い生地の着物なんて私は来たことがないから妙に緊張する。」
初めて?けど、千鶴さんは雪村の……。まさか、自分の立場を知らない?
「あの、千鶴さんは今までどのような環境で育ってこられたのですか?」