第5章 再会
「君菊。千は?前に人を庇っているのを見たけど。それに、芸子なんて。」
「姫様は今は 八瀬の里です。芸子をしているのは京や各藩の様子を知るため。京の姫が随分面白いことをされますね。」
「新選組に入ったのは成り行きで。それより、千鶴さんに気付いているでしょう?」
「姫様の命で見守れと。風間を泳がせているらしいですよ。」
「風間さんを?どうして?」
「なんでも、雪村千鶴を鬼の一族の嫁として迎え、一族を繁栄するとか。」
風間さんは時々、いつも、おかしい。
「姫様には結様のことはお伝えしますか?」
「千だけなら。」
千は安心できる。君菊がいるなんて。