第4章 島原
「…あの、新選組だということがバレずに、密偵として潜入できればいいんですよね?私は、気配を消すことができます。こうして新選組の監察方に入ったので今回は千鶴さんではなく、私にやらせて頂けませんか?」
千鶴さんの気配を消すことはさすがにできないけれど、私一人の気配を消すことなんて今までやってきたことだし、千鶴さんが危険を伴わずに済む。
「お前は、いいのか?」
「はい。私は新選組に入れていただいてからまだ日は浅いですが、裏切りは絶対にしません。約束は必ず守ります。」
それが鬼の誇り。そして新選組という私に希望をくれた組織へのほんの僅かな恩返し。