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私が生きている理由。

第2章 大切なこと


そうして、部屋にいる内に夕餉の時刻になり、千鶴さんが呼びに来てくれた。
「新選組では夕餉を皆と共に食べるのですね。なんだか、新鮮です。」
「結ちゃんもおかず、取られないように気をつけてね?」
おかず?とられる?千鶴さんの言っていることの意味はわからないけど、とりあえず気をつけておこう。
「失礼します。」
「そんな堅苦しいのやめろよ、結。俺達は仲間だろ?」
「あ、はい。原田さん。ありがとうございます。」
「結ちゃん、僕の隣においでよ。おかず戦争からは守ってあげられるよ?」
「…は、はぁ。」
また、おかず。なにがあるんだろう、この夕餉には。とにかく、言われた通り沖田さんの隣に座る。私のもう片方の隣には先程の斎藤さん。なんだか、話しかけづらい。
「……この夕餉は誰が作られているのですか?」
「最近は千鶴が、ずっと作ってくれてるよな?」
「はい!どうしたの、結ちゃん。なにか変だったかな?」
「いえ、ただ…懐かしくそして暖かい味がします。」
千鶴さん、やっぱりあなたは鬼一族。雪村家の末裔ですね。この味はまさしく鬼の血を受け継ぐ者の暖かさ。どこか嬉しくなる。雪村家は滅びたと聞いていたから、ここにも生き残りの仲間がいた。
「お前、変な言い回しするやつだな!そういうのは純粋にうまいってことだろ?」
「はい。とてもおいしいです。」
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