第2章 Secret Lesson
そして歌い終わり…。
「なかなかええやん、俺の声と合うて来とる。
花音の心が初めて聞こえた気分やわ」
最中は無我夢中で聞いてる余裕なんてなかったけど、渋谷さんにそう言われると少し自信が持てる。
「ホントですか?」
「ホンマや、花音の声が聞こえるようになったな。
俺ん中の魂と共鳴しとるみたいや。
この調子で頑張れや、花音」
「はいっ、ありがとうございます‼︎」
渋谷さんは今まで歌のことでお世辞を言ったことは無い。
思ったこと、感じたことをそのまま言葉にする。
だからその言葉に素直に喜ぶことが出来る。