第12章 手料理
「確かにそうですね。同じ人間ですし。
完璧な人なんて存在しませんし。
仮に居たとしても、その人はきっと孤独なんでしょうね」
「なんでそう思うん?
むしろ優越感に浸ってると思うけどなぁ」
「だって、なんでもかんでも出来たら面白くないじゃないですか」
「まぁ確かにそうかも」
「あ、カレーよそいますけど自分で入れます?」
「おん!自分で入れる。
そんでお代わりするでな」
「大倉さん、食いしん坊ですね」
「今頃気づいたん?」
「いーえ?」
ヤスは俺らの話に入って来るようなことはせず、ただジッと花音ちゃんを見つめている。
「安田さんも自分でよそいますか?」
「え?あ、おん」
「分かりました」
お皿を3つ用意し、それぞれの自分の分のライスをよそって貰う。
そしてそれにルーをかけるのが私の仕事。