第12章 手料理
「花音ちゃんっ」
バッ、と後ろから驚かす。
「わっ⁉︎お、大倉さん!
びっくりさせないでくださいよ…」
はぁぁ…と胸を撫で下ろす花音ちゃん。
「脅かされるの苦手なん?」
「はい、そういう類いは全般的に…」
可愛ええなぁ、ホンマ。
「花音ちゃんウブやなぁ」
ツンツンと花音ちゃんの頬を突く。
「ちょ、大倉!」
「あ、ご飯の催促ですか?
もうすぐ出来るので、あとちょっとだけ待っててください」
「おん。楽しみにしとる。
花音ちゃんの手料理」
「お口に合うと良いんですけどね」
心配そうに眉を下げる。
「大丈夫やって!な?ヤス」
ボーッとしているヤスに話を振る。
「え?あ、ごめん。聞いてなかった」
「珍しいですね、いつも真面目な安田さんが」
不思議そうな視線をヤスに向ける。
「あはは、僕にやってそれぐらいはあるで」