第10章 優しさに甘えて…
そのことが嬉しくて、顔が綻ぶ。
「あとは花音がギターパート弾けるようになったら、完成や」
「が、頑張ります…」
簡単そうに見えて、簡単でない。
ギターと歌だけだから、当然ミスすれば分かるし目立つ。
プレッシャーに弱いんだよなぁ、私。
「あと1回通したら終わろうや。
ヤス、ええ?」
「おん、いつでもオッケーやで。渋やん」
「花音もええか?
そんな暗い顔しとらんと」
「あ、うん」
なんだろう…今日のすばる、ちょっと変かも。
なんだかピリピリしてる。
初見で弾けない私に対して、幻滅したのかな?
やっぱり私がギターなんて、変なのかな。
「お疲れさん、花音ちゃん」
「ぎゃっ…」
「うゎ⁉︎び、びっくりした…。
ご、ごめんなぁ?驚かして。
リハ終わってんのにボーッとしてるから、心配になって。
大丈夫?」
「だ、大丈夫ですよ?安田さん」