第9章 2度目の…。
0時5分前、目的の場所へ着いた。
そして、0時ぴったりにマスクをしたすばるが現れた。
「ん、ほな行こか」
「うん」
すばるのあとに続いて、ホテルの中へ入る。
中は、前に来た時と全然変わっていなかった。
って、それもそうだよね。
来たの、ほんの何日か前なんだから。
キョロキョロしていると、すばるが手続きを済ませていた。
「何してんねん、はよ行くで」
スタスタと歩いて行ってしまうすばる。
「あっ、待ってよ!」
安田さんや大倉さんは、私のペースに合わせて歩いてくれたのに。
すばるの入った部屋に、慌てて入る。
違う人の部屋だったらどうしよう…。
「何キョロキョロしてるん?
別に、ここ来るの初めてちゃうやろ?」
良かった、すばるが居た。
「初めてじゃないけど、緊張するもん」
雰囲気も雰囲気だし、まだ慣れない。
と言うか、この部屋に慣れてる自分が居たら嫌なんだけど。