第7章 挽回
「お疲れ様です、錦戸さん」
「ん、お疲れ。花音ちゃん」
「マイク回収しますね?」
「おん、ありがとう。
休憩後の花音ちゃん、むっちゃ良かったわ。
益々好きになるやん、花音ちゃんの歌」
「そうですか?」
「おん。
なんか、聞いてて心が熱くなんねん。
前は癒されるだけやったんやけど、今は違う。
熱くなったり、元気になったり、癒されたり、切なくなったり。
色んな気持ちになる。
器用やなぁ、花音ちゃんは」
「ありがとうございます」
そんなに言われると、照れる。
「これからも、頑張ってな?」
「はい」
「ほな、またな」
そう言って、錦戸さんは帰って行く。
次に向かうのは、横山さんのところ。
横山さんもせっかちな部分があるから、急がないと。