第7章 挽回
今日の分のリハーサルは終わり、片づけに入る。
私は、皆さんのマイクを集めて回る。
「さっきの花音、むっちゃ声出てた。
歌うの楽しいか?」
「うん、とても楽しい!」
「やろうな、良くなったと思うわ。
ちゃんと気持ちも伝わって来るし。
これなら、ソロでもイケるんちゃう?そこそこ」
「そこそこは余計だよ!
それに、私は今の仕事を辞める気ないよ。
関ジャニ∞のメインコーラスは、ずっと続ける」
「そう言うと思っとった。
花音の口から直接聞けて、安心したわ」
「疑ってたの?」
「そんなんちゃう、信じとった。
念の為や、念の為。
そういうことぐらいあるやろ?
気にせんといてや」
「うん、分かった」
「お疲れさん、花音」
「お疲れ様」
すばるのマイクを回収し、隣の錦戸さんのところへ移動する。
錦戸さんもすばるも、早く帰りたい人だから早めに回収しないとなんだよね。