第7章 挽回
「分かってるよ。
一緒に行くならすばるくんか亮ちゃんとやな」
「えー、僕も連れてってやぁ。
大倉ってば意地悪」
「ははっ、冗談やって!」
「冗談キツイわぁ…マジにしか聞こえへんもん」
「ふぅ…」
「あ、亮ちゃんお疲れ」
ようやく休憩に入る錦戸さん。
納得いかないと休憩に入らないって、ストイックだなぁ…。
「花音ちゃん、さっきは飲み物ありがとうな」
「いえ、それが仕事ですし。
いつも迷惑かけてるので…」
「迷惑?
そんなん、いつかけられたっけ?」
「え?毎回ミスして迷惑かけてますよ!」
「それ、俺は迷惑やとは思ってへんで?
人間やもん、失敗すんのはしゃあないやろ」
「でも…」
「これから少なくしてけばええねん。
多分、誰も迷惑やなんて思うてへんで」
「ありがとうございます」
やっぱり、皆さんは優しい。
「練習やったら、いくらでも付き合うから言ってな」
ポン、と頭を撫でる錦戸さん。