第7章 挽回
周りの迷惑になっちゃうしね。
「花音ちゃんは、練習とかしてるん?
って、そらしてるか」
練習…。
言われてみると、してないような…。
「え、何?その反応。
まさかしてないん?」
「…そのまさかです」
立場がない。
「練習せんでその上手さとか…ちょっとヘコむわぁ」
「え、ヘコむ?
どうしてですか?」
「…俺に言わせんといて…」
なぜか落ち込む大倉さん。
「どうしたんです?」
「ま、練習なら付き合うで?俺で良かったら。
頼りにならんかもだけど。
カラオケなら、周りに気兼ねなく歌えるしな」
「ありがとうございます。
じゃあお言葉に甘えて、今度」
「ん、楽しみにしとく」
楽しみ…?
練習が楽しみなんて、変なの。
「2人きりはアカンで。
撮られたら大変やで?主に花音ちゃんが」
私が…?
「まさかマルが言うとは思わなかったわ、そんなこと」