第7章 挽回
皆さんに飲み物を配り終え、自分も休憩に入る。
「花音ちゃん、すっごく良かったで!
どんなレッスンやったん?やっぱりスパルタなん?」
「スパルタ…ではなかったですよ、丸山さん。
アドバイスを受けたぐらいです」
「へぇー、それだけであんな変わるもんなん?」
「はい」
「声の出し方とか音程の取り方なん?
それとも、もっと専門的な感じ?」
「ちょっと違いますね。
気持ちのアドバイスです」
「気持ち??
どう言うことなん?それ」
「今まで私、綺麗な歌を届けようと歌ってたんです」
「ええことですやん」
「それも大切なんですけど、1番大切なことってやっぱり気持ちなんです。
その歌に“ 心 ” …伝えたい気持ちを乗せて歌うんです」
「ほぇ〜、気持ちなぁ」
「そこを改善したら、今みたくなったんです」
「そうなんやね。
気持ちかぁ…」
「元がええからやろ」
「ちょ、そんな言い方ないやん?信ちゃん」
どうやら、隣で聞いていたらしい村上さん。