第7章 挽回
「普通に渡しに行ったらええやん」
「普通にって…無理ですよ!」
村上さんは普通に話しかけられるかもしれないけど、私には出来ない。
邪魔しちゃいそうで、なんだか気が引ける。
「心配せんでも大丈夫やで?花音ちゃん。
ヤスやったらすぐに気づいてくれる筈やから」
「…分かりました、行って来ます」
丸山さんに背中を押され、2人の元へ向かうと…。
「どしたん?花音ちゃん」
安田さんが、気づいてくれた。
「あ、飲み物です」
2本まとめてズイッ、と渡す。
「ありがとぉ」
2つ共受け取り、笑ってくれた。
「ん、渋やんも一旦休憩。
水分補給したら、またやろ?」
「せやな」
安田さんが飲み物を渡して言う。
どうやら、すばるにギターを教えてるみたい。