第6章 豪華なディナー
首を横に一生懸命振る安田さん。
そんな安田さんの頬は、ほんのりピンク。
「可愛いです、今日の安田さん」
思わず、笑みがこぼれる。
「か、可愛くなんかあらへんで?
そんなん言うたら、花音ちゃんの方が可愛ええやん。
それに、男に可愛いは禁句やで?」
「え、禁句なの?どうして?」
ダメなのかな?
「男たる者、カッコ良く居たいやん。
花音ちゃんやって、カッコイイより可愛いの方が嬉しいやろ?」
カッコイイと可愛い…。
「確かに…可愛い、の方が嬉しいですね」
「それと同じことやで」
「そうなんだ。
ごめんなさい、可愛いなんて言って」
嫌な気持ちにさせちゃったよね。
「そんな謝らんといてや。
花音ちゃんに言われるのは、別に嫌やないで?」
「それなら良かったです」
笑顔で言ってくれる安田さん。
優しい人だなぁ…。
「あ、着いたみたいやで」
「本当ですね」