第6章 豪華なディナー
「それって…もしかして他の皆さんにもバレてます?」
「んー、どうやろな。
分かってるっぽい人は居るけど」
「誰ですか?」
「間違うてたら困るし、それは言えへん」
「そっか…残念です」
残念そうに眉を下げる花音ちゃん。
そんな顔されたら、教えてあげたくなっちゃうやん。
「気にせんでも、気づいてない人がほとんどやから」
「そうだと良いんですけど…」
不安そうな表情も可愛ええ。
「安田さん?」
「え?あ、ごめん。
聞いてなかった」
ボーッ、としてた。
「何言ってるんです?
別に何も言ってませんよ。
どうかしたんですか?」
クスリ、と可笑しそうに笑われた。
「べ、別になんでもないで?」
見惚れてたなんて、好きでも無い人に言われたら迷惑やろ?
「今日の安田さん、なんか変です」
クスクス、と笑う。
「変やないで」