第6章 豪華なディナー
タクシー代を払おうとしていると…。
「ええって、そんなん」
「え?でも…」
お酒のお金も出して貰ってる筈だから、流石にタクシー代まで払って貰う訳にはいかない。
「気にせんといて。
僕が出したいだけやから。
こーゆーんは、男に奢らしてな?」
「…ありがとうございます」
全く引きそうにない安田さんに、根気負けする。
「今日は本当にありがとうございました!」
「おん、こっちこそありがとぉな。
急やったのに来てくれて。
ほな、おやすみ」
「おやすみなさい」
挨拶を交わし、タクシーで帰宅する安田さん。
明日もリハーサルが入ってるから、その時またお礼を言おう。
そして、頑張ろう!
私の声を、絶対皆さんに届ける為に。