第5章 そんな顔しないで…
お土産見てると浮かぶのは、
やっぱりお父さんとお兄ちゃんの顔。
櫻井「血の繋がりって、
ほんとに関係ないと思うよ。
俺なんて、血が繋がっていても
家に誰もいなくて常に1人で…。
それって家族って言える?
1人で飯食って1人で寝て。
だから、ちゃんたちが
いっつも羨ましくてさ。
ニノが朝ごはん一緒に食べようって
声かけてくれたの、ほんとに
嬉しかった。なんの味もしなかったご飯を
初めて美味しいと思えた。
人と食事する、ってすごい
大切だなって思えた。」
先輩の両親はどちらも忙しく、
お父さんは単身赴任だし
お母さんも夜遅く、朝早い。
お兄ちゃんに聞いたことある。
「いつでも来てください!
私もお兄ちゃんも、美味しいか
わからないけど、ご飯作って待ってます!」
すると突然、視界が遮られた。
私は、先輩の腕の中にいた…。