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雨の降る学校

第5章 そんな顔しないで…




ドアが静かに閉まり、

ベッドの近くまでゆっくり進む。


父「高野さん、お久しぶりです。

ご連絡ありがとうございます。

今日は、息子の和也、あとも…。」



そういってベッドの顔に近いところに

私を連れて行くお父さん。



不思議。この人が私の血の繋がったお父さん。




病気だからか、顔色も良くなく、

体もほっそりしている。


でも、もともとはガタイが良かったのか、

肩幅もあり、背も大きい。



「あなたが…お父さん。」



隣からすすり泣く声が聞こえて来た。



お兄ちゃんだ。


高野「ああ。随分と大きくなったな…。

当たり前か。まだあの時は一歳だったもんな。


よく来てくれた。ありがとう。」



「いえ…。」


笑った顔が、

なんとなく自分に似てるかも、なんて

自分との共通点を探し始めてる私。



初めはぎこちなかった会話が、


なんとなく上手く出来て来たころ、

そろそろ…とお父さんが体調を気遣い

私たちは病室を後にした。


高野「、また来てくれるか?」


「うん。また来ます。」












そう言って出て行ったのが

お父さんとの最後の会話になった。





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