第5章 そんな顔しないで…
朝。ケータイのアラームで起きると、
昨日先輩とお揃いで買ったストラップが揺れた。
先輩…。まさかこんなことになってるとは
思ってもいないですよね。
コンコン
和也「起きた?」
「…うん。」
和也「おはよ。9時ごろ父さんの車で行くから、
用意しといてだってさ。」
お父さんの車。久しぶりだ。
「おは。わかったー。」
今日は気を使ってか、
ズカズカと中には入って来なかった。
大きく伸びをして、着替えをした。
初めて会うお父さん。
どんな人かな。
優しいかな。それともコワモテ?
お母さんと私をどうして
捨てたんだろう。
聞きたいことは沢山出てくる。
でも、体が心配だ。
準備をして、私たちは車に乗り込んだ。