第27章 【鶴丸国永】一度だけ
朝はあの忌々しい女の声から始まった。
「鶴丸ー!...起きてー!」
鶴丸「.......おはよう、主、」
嗚呼、嗚咽がする。
鶴丸「早くでていってくれないか、着替えたい」
鋭い目付きをきかせても
「あっうん!わかった!じゃあ朝御飯用意しておくね!」
元気に返される
鶴丸「.....はあ.....」
俺らの主は元気ではしゃぐ、浦島のような明るい人物、
人を放っておけないタイプ
なんなんだ。もう、余計なお世話だ。
燭台切「おはよう、鶴さん、また主ちゃんに起こされたのかい?」
厨に行くと光忠が朝食を作り主が運んでいるのが見える
鶴丸「嗚呼、生憎な」
ため息をついて俺は主が大量に持っているお盆を二つほどもった。
鶴丸「怪我でもしたらこっちにも支障が出るんだ。無理をするのはやめろ」
「う..うん...ごめんねっ」
不愉快だ。
頭がいたい。
声を聞きたくない。
それならいっそ、縛ろうか。
なんて考えるときもしばしばだ。
一期「.....」
鶴丸「おお、一期、起きたのかい、おはよう」
一期「え、え、...おはよ..ございます」
鶴丸「まだ寝ぼけてんのか...薬研ー!厚!」
寝起こし部隊を呼ぶ
薬研「ほいきた薬研!!」
厚「ほいきた厚!」
鶴丸「よろしく頼むぞ」
薬研「へいへい!!」
その場を終えるともう朝御飯の用意が終わっていた。
俺の隣には倶利伽羅と燭台切、真正面には三日月で並んでいた。