第3章 【青峰大輝】変わらない想い
青峰side
「だから放っとけっつーんだよ」
俺が彼女のにこう言い放ったのは一週間前。
バスケで周りと力の差が出てしまった今の俺は、何をしてもいまいち楽しくなかった。
それはと居ても同じ。
以前は「大輝!」と呼ばれるだけで胸が高鳴ったのに、力が開花した後は適当に返事をするだけだった。
だが別れたいとかは思わない。
自分が突き放してから一切口をきいていない日々が続いているが、毎日ベッドの上で考える事はの事。
「今更どう話せっつーんだよ……」
出来るならまた名前を呼んでほしい。
二人で並んで帰りたい。
こう思うものの、素直に言えない俺はため息ばかり。
向こうから何かキッカケをくれれば助かるのだが……そう上手くいくものでもないし、第一考えがズルい。
「まーなんとかなるだろ」
しかし結局はそこまで深く考えない。
から何も言ってこないという事は、俺と同じで別れたいと思ってるわけではない。
と都合良く捉え、目を閉じて眠りへ落ちようと無心になる俺だけど……手にはいつも携帯を握っている。
いつ連絡がきても直ぐ反応できるように。
(来るわけねぇだろーが……)
……少し期待はしている。
けどその期待が裏切られた時、心に流れ込んでくる冷たい風が嫌で頭を振るのがお決まりだ。
明日もきっと通知はない。
そう決め込んで俺は寝ようとした。
いつもみたいに眠りに落ちて、また朝を迎える。
そうなると思っていた。
なのに……
「あ……?」
手の中で携帯が震えた。
鼓動がバイブと連動するかのように早く脈打つ。
何故ならディスプレイに表示されているのはの名前だったからだ。