第3章 I'll bet she will - - - (上鳴電気)
ちょっと待って、とスマホに対してもの申したかった。ちょっと信じたくない。『雄英にヴィラン襲撃!』と伝えたニュースの衝撃は凄まじかった。なのに当事者は1週間でこの立ち直りなのか、命を狙われたんじゃなかったの?なんなの、ヒーロー科ってどんなメンタルしてんの!?
頭を抱えようとしたところ、靴音が聞こえてきた。教室から100mほど離れた廊下の奥から。底が磨り減ったヒールの音、間違いない。次の授業の先生だ。
バシン、と隣の席の机を叩く。「先生くるよ。ノート返して」
「うす、」と私のノートが机の上に戻ってくる。ありがと、と隣の席の男子が言った後、ふと「便利な耳だな」と呟いた。
教師の足音はすぐそこまで差し掛かっていた。教室のドアが開くまであと5秒ほど。
スマホを慎重にポケットにしまいながら、「まさか」と私は鼻で笑った。「聞かなきゃ良かったと思うことがたくさんあるよ」
椅子に座り直して姿勢を正す。次の休み時間のことを憂いて、一人でまたため息を吐いた。
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あとがき
ヒロアカアニメのPVに非常にテンションアガってます。
動く彼らを見れる日が待ち遠しいです。
上鳴くんは歳相応にお馬鹿で好きです。
2016.03.06