第2章 Kaboooooom!!!(爆豪勝己)
「ああぁ!待ってマイドリーム!!!」
なまえが大きな声を出した。見るとドアに縋り付くようにして、廊下へと腕を伸ばしている。どうやら爆豪に逃げられたようだ。
「私は芸術などわかりません」と発目は言葉を紡ぐ。「爆発なんてどれも同じです。破壊だけで何も生産性がない。今のところ、あの子の努力は社会にも誰の役にも立たない。その感覚と世界観は全く理解できません。誰にも、私にも。でも、ひたむきなあの子の側にいると、心がすごく揺さぶられるんです。わかります?一緒にいると、負けてられないって思うんです」
にっこりと穏やかな笑みで、発目は緑谷を見つめた。「だから私は、あの子を応援したいんです。損得なんて考える必要ありますか?ギブ&テイクが成立せずとも、力になりたいと思うのが、友情というものなのでしょう?」
細められた両目を見て、そうか、と緑谷は考えた。相手が困っていれば無償で助ける。僕にとって、それは当たり前の行為だけれど、発目さんは、それを全ての人に平等に実行することを嫌う。見返りを求めず手を差し伸べる行為を、彼女は友情として認識しているのか、と。
ヒーローという存在行為は、言ってしまえば世界中の人を友人とみなすことなのかもしれない---
ささやかに知見を広げた緑谷だったがその翌日、「まずは刺激物摂取時の発汗状況を見せてください♡」となまえが激辛弁当を持って突撃し、辛いもの好きの爆豪の胃袋をがっちり掴んだのを見て、なるほどこれがギブ&テイク......!と更に納得するのは全く別のお話ですとさ。
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あとがき
ヒロアカがアニメ化すると聞いて。
爆豪くんかっこいいっすね
それより発目ちゃんが可愛い。
2015.12.20