第3章 06:03 ”花巻貴大”は梅雨をなめている。【全年齢】
「なんかまた雨降り出しそうだなー。」
『梅雨だしね。』
「俺傘持ってこなかったわ。」
『梅雨に傘なしとか、梅雨なめすぎ。』
相変わらずの減らず口だな。
水溜りをなるべく避けて、に水跳ねがかからないようにしながら、学校への道のりを走る。
しばらく走ると、肩を並べて歩く見慣れた後ろ姿が前方に見えた。
「あ、及川と岩泉発見!」
『朝から及川とかマジで胃もたれなんだけど。』
「及川はとんかつか!」
『メンチカツ。』
そんなやりとりをしているうちに、歩いている及川と岩泉に追いついて自転車の速度を緩めた。
花「ウェーイ、おはよん!」
及「マッキー!とちゃん!おっはよー!!!」
岩「よぉ。相変わらず仲良いな。」
『、、、岩泉先輩。おはようございます。あと、メンチカツ、、、うるさい。』
花「メンチカツ先輩ちーっす。」
及「メンチカツってなんなの!?まさか俺の事じゃないよね!?」
岩「お前しかいないだろうが。でもなんでメンチカツなんだ?メンチカツに失礼だろ。」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ及川にチョップをかまして岩泉がに問いかける。
『及川は、、、、胃がもたれる、、、からです。』
岩「なるほどな。確かにしつこい。」
岩泉は腕を組んで頷いてみせる。
は岩泉に対して青城バレー部で一番尊敬に値すると豪語し、先輩としてちゃんと接している唯一の人間だ。
なんかそーゆう所、京谷に似てんなって、俺はたまにそう思う。