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呪われた運命の魔女

第4章 シリウス・ブラックとの出会い


外は寒かった。温める呪文を呟く。そしてシリウスが幽閉されている離れの塔へと向かった。

「シリウスー?」

シリウスは檻のついた部屋の隅にいた。

「………イヴか?お前なんで…………」

先程よりも少し顔色が良くなっていた。だけど、寒そう。私は袋から防寒着を取り出す。

「さよならしにきたの。」

「…………そうか。せっかくお前に助けられた命だったが、結局私は何もできなかったな。………ピーターを殺すこともできなかった。」

「私はこれでよかったと思ってるよ。私もあなたに人殺しして欲しくなったから。あなたは親友のために自分の身を犠牲に出来る。そんな人に裏切ったとはいえ親友だった人を殺して欲しくないもん。」

「そのご褒美がディメンターのキスだがな。」

自傷的に笑うシリウス。

「残念だけど、そのご褒美をあげることはできないかなー。前にも言ったように私それ嫌いなんだよねー。それに今から1時間後、ハリーとハーマイオニーが助けに来るからね。」

ハリーの名前を出すと、ぱっと顔をあげる。

「助けに?」

「言ったでしょ?さよならしにきたって。」

「………そういう意味だったのか」

シリウスがため息をつく。

「はい、これ」

防寒着を隙間から手渡そうとする

「お、おい!この檻がただの檻のわけあるか!」

「あ、そっか。」

私は杖を振る。すると、

バキッ

と嫌な音がしたので、私は檻の隙間から手渡した。

「……………お前、今何をした………?」

シリウスが目を開いて言った。

「何って、魔法壊しだよ。ちょっと乱暴だけど、魔法解除だとめんどくさいし。」

「お前………それダンブルドアに習ったのか?」

「ううん、ダンブルドア先生から習ったのは守護霊の魔法とあとはそんな感じの魔法いろいろ。これは勝手に独学で学んだの。」

「守護霊の魔法も使えるのか!?」

「ハリーも使えるよ?」

「………………お前末恐ろしいな…………ダンブルドアももともと高い鼻がさらに高くなっただろう。」

「んー、でもちょっと後悔してる。」

「は?何故だ?」

「…………警戒されるから」

「………………そうか。」

「……………シリウスも私のこと怖い?」

恐る恐る聞く。それを聞くとシリウスは大きくため息を吐いた。

「お前な、どこにお前みたいなガキにビビる奴がいるんだよ」

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