第1章 目覚めた魔女
「今年かの有名なハリー・ポッターがホグワーツに入学する。ハリー・ポッターの名前はもちろん知っておろう?」
「!?」
「あの子にもホグワーツに入ってもらう」
「なっ!?」
「委員会にはわしからすでに報告しておる。アドゥー、そしてお主にも先生として学校に来てもらいたいのじゃ。あの子を支えてくれ。」
「……………………だが、ハリー・ポッターがあの子の素性を知れば…………」
「あの子に罪はない。リリーとジェームズの子じゃ。あの子を責めはしないじゃろう。」
「そう………だな。ジェームズはともかくリリーの子だからな。」
男が初めて顔を緩ませる。
「……顔はジェームズそっくりで、目はリリーの目じゃ。両親の思い出は無かろうが、自身に両親の愛は刻まれておる。きっと良い魔法使いとなろう。」
「………あの子はあの子のおばあ様によく似ている。あの家系では珍しく朗らかで温厚で美しかったエミィに。」
「……あの子もまた愛が刻まれておるのじゃよ。」
「…………そうか。」