第2章 再会
あの日からどれくらいが過ぎたのだろうか。私はあの時勤めていた編集社を辞め、違う編集社に就職した。今の編集社ではンタビュアーを、任されている
私の担当は芸能。しかし私はテレビもあまり観ないし、雑誌も読まない。だから毎回、その日にインタビューする人の情報を誰よりも調べなければならない
「櫻庭さん、明日の取材大丈夫?」
「大丈夫だと思います。嵐さんですよね?」
「そうそう!ファンばっかりだから、櫻庭さんにしか頼めなくて……。嵐は知ってるよね?」
「名前なら」
「じゃあいつも通り、調べてね。くれぐれも失礼のないように」
「分かりました」
今の編集社は良い所だ。先輩も優しいし、いじめみたいなこともない。前の所とは比べものにもならないくらいだ
私はインターネットで、嵐のことを調べた。これも仕事の一環だということで、OKを出してくれた
「…嵐って5人組なんだ」
「櫻庭さん、そこからですか?」
私がボソッと言った言葉に反応した、隣のデスクの由佳さん。ジャニーズが好きらしい
「はい、まぁ」
「私、教えましょうか?きっとネットよりも詳しく教えられますよ」
「あ、大丈夫です。そこまで詳しくなくていいので」
「そうですか。では私はあがらせてもらいますね、定時なので」
時計をみると、5時になった所だった
「お疲れ様でした」
「明日、頑張ってくださいね」
「はい、ありがとうございます」
私はパソコンに目を戻した
「櫻庭、そろそろ帰れる?」
時計をみると7時を過ぎていた。どうやら下調べに集中していたようだ
「あ、すいません」
私は急いでパソコンの電源を切り、帰りの支度をした
「急かすつもりはないから、急がなくていいよ」
「大丈夫です。終わりましたから」
「早いな」
遠野さんは笑いながら驚いていた。まぁ、そんなに荷物持ってきてないから早いんだろうね
「必要最低限の物しかないので」
「あ、どうせならさこの後飯行かない?」
「すいません、嵐さんをもう少し調べなければならないので……」
「そうか。じゃあ頑張れよ」
そう言って私の肩を軽く叩いた
「はい、ありがとうございます」
私たちは2人で編集社を出た