第4章 カップル成立
「翔さん、明日仕事は?」
翔
「ちょっと待って。俺のことなんて呼んだ?」
「翔さんだけど…」
何か変なのかな?いつも通り呼んでるんだけど
翔
「さん付けだと距離を感じるんだよな…。俺も昴って呼ぶから、昴も翔って呼んで?」
「今は翔くんでもいい?」
翔
「分かった、いいよ。でもそのうち、呼び捨てで呼んでね?」
「うん。で、明日仕事は?」
翔
「始まりが8時かな。昴は休み?」
「うん、休み」
翔
「ごめんな。俺の仕事上、昴と休みが合わなくて…」
申し訳無さそうに翔くんが言った
「そんなの気にしてないよ。私はこうして翔くんと話せてるだけで、幸せだから」
翔
「昴…」
私の名前を呼び、翔くんは私を抱きしめた
翔
「俺も昴と話せてるだけで幸せだよ」
「ありがと。…翔くん、もう9時半過ぎてるけど帰らなくて大丈夫なの?明日、仕事あるんでしょ?」
翔
「昴とまだ一緒にいたい…」
「それは私もだけど、明日の仕事の為にも…ね」
翔
「じゃあさ、俺の家に泊まろうよ!それで明日、一緒に仕事行こ?」
「……泊まるのはいいけど、仕事には行かない」
翔
「何で?」
「翔くんの仕事と私の仕事は関わりがある仕事でしょ?きっと私のこと知っている人もいると思うの。だから行かない」
翔
「そっか…」
翔くんは凄くガッカリしているように見える
「あと仕事で会った時は苗字にさん、そして敬語で話そ。会社で私たちの関係が知られちゃったら、大変なの。ごめんね」
翔
「分かった、いいよ。会社にいれなくなってまた、飛び降りようとされると困るし。俺が助けられるとも限らないから」
「ありがと」
翔
「今日は諦めるわ。昴に泊まってもらうの。じゃあ帰るな!」
「うん。気をつけて帰ってね」
翔
「またね」
そう言って翔くんは、私の部屋から出て帰って行った