第1章 タイムスリップ
「じゃあ、何?サブローもタイムスリップしたの?」
「そうみたいだね」
何処までも能天気そうな彼に段々腹が立ってくる
何、こいつ!
私の大将に成り代わっておいて!そんっな態度でやってけると思ってるの?
私の!尊敬してる大将はねぇ!!
叫び出したい衝動を抑える
ここで叫んだりしたら今までの七年間が無駄になる
「宮、ちゃん?だっけ?も、タイムスリップしたの?」
「七年前にね」
頭を抱えながら呟く
ああ、頭痛い
「な、!?え!?そんなに帰れないもんなの?」
「…別に私、帰ろうとか思ってないし…ここに骨埋める気なんだけど?」
私の発言に今度はサブローが頭を抱えた
「マジか…」
うわー、と混乱しているらしいけれどこっちだって混乱の真っ最中なのを忘れないで欲しい
「ねぇ、私の大将は?本物の信長さんは何処行っちゃったの?」
それに対する答えはとってもシンプルな物だった
「知らない」
蹴っ飛ばしてやりたくなったけど大将と同じ顔だからどうしても出来なかった