第4章 竹
「殿!そのような場所、危のうございます!」
見上げる
木の上にはサブローが風に吹かれていた
「……馬鹿と煙は高い所が好き…」
聞こえないよう小声で呟いたつもりだったのだけれど、どうやら恒興ちゃんには聞こえていたらしい
睨まれてしまう
「は、はは…」
取り敢えず微笑んでおく
「殿…」
帰蝶さんには聞こえなかったのか、私には反応はない
「んー?」
サブローがゆるりと首を傾げて下を見た
「わたくしもそちらに行きとうございます」
まさかの発言に帰蝶さんを二度見した
え、そんな活動的でしたっけ?帰蝶さん
「来れば?」
サブローが帰蝶さんに手を伸ばす
恒興ちゃんが止めようとするけど無理というもので
帰蝶さんも木にのぼっていってしまった
「……煙…」
また呟いた言葉に今度は恒興ちゃんに足を踏まれた
ごめんって