第12章 -初恋-(二口堅治)
-二口side-
〜2 weeks later〜
「10分休憩ーーー!」
茂庭さんの声で休憩に入り、
オレは汗を拭いてドリンクを飲んだ。
「二口、最近、調子いいなー。」
「そうっすか?」
茂庭さんに言われ、オレが聞き返すと、
青根も頷いていた。
「でも、別に変わんないっすよー。」
変わったことといえば、
すみれと付き合うコトになったコト。
ま、すみれの存在はデカいな。
「そうかなー?
さっきのスパイク、ヤバか…
ん?なんだ…?」
茂庭さんが突然首をかしげ、
体育館の入り口のほうを見た。
…?なんか騒がしい。
「かわいーーい!」
「誰に会いに来たの?オレ⁈」
「んなわけあるかよ!」
「バレー部のヤツ探してるの?」
ウチのヤツらが
誰かを囲っているようだった。
「あ!マジけっこうかわいー。」
「あ〜女子だなぁ♡」
遠巻きに見てるヤツらも騒いでいる。
「なんだなんだ?」
オレと青根も
茂庭さんにつづいて、
人だかりを覗きに行った。
……⁈
「すみれっ⁈」
人だかりの中心にいたのは、
いるはずのない…すみれだった。
オレの声に皆一斉にオレを見る。
「堅治くん‼︎」
すみれは困り果てていたが、
オレを見ると安心したように
パーッと顔が明るくなり、ニコッとした。
…っ⁈⁈
「「((可愛い…♡))」」
「すみれっ!何してんだよ⁈」
オレは人だかりの中から、
すみれを連れ出した。
つーか、んな可愛い顔、
ココですんなよ!
「あ…あの…学校から帰ったら、
おばさんに会って…合宿のお金、
堅治くんが忘れちゃったから、
届けてくれないか…って。」
「はぁ⁈」
んなの、1日くらい
どうにかなるだろうが!
「ごめんなさい…勝手に…。」
「…⁈怒ってねーよ。」
いや、マジで。
すみれに部活中に会えるなんて、
嬉しいは嬉しいが…。
「二口ーーっ!お…おまえ‼︎
誰だよ?そのコ!!」
はぁ…ほら…きた。
騒ぎを聞きつけたのだろう。
さっきまでいなかった、
鎌先さんと笹谷さんまで来ていた。
「つーか、すみれがビビるから、
鎌先さん、少し黙ってくださいよ。」