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〜Lemon Candy Story〜

第12章 -初恋-(二口堅治)


『檜原って実はファン多いしなー。』


こいつらはオレを煽っているのだろうか?


『おまえら、いい加減にしろよ⁈』


オレは我慢できなくなり、
思わず原田たちの会話に割り込んだ。


『すみれはオレのだから‼︎
おまえら、手ぇ出すな‼︎』


『『………⁈』』


『なに檜原のこと
所有物にしちゃってんのー(笑)?』


『はいはい。ごっそーさーーん(笑)』


『つーか、さっさと付き合っちゃえよ!
じゃなきゃ、
ほんとにオレがもらうぞー(笑)』


オレはその日、部活が終わるまで、
原田たちにからかわれつづけた。


--------*


「つぅか、元々…なんつーか…」


すみれの誤解は解きたいが…
あの話のつづきをするのは、
恥ずかしすぎる…。


「…?」


すみれは不安そうにオレを見ていた。


あぁ…くそっ‼︎


「おまえ、人気あったんだよ‼︎
いっつもおまえとのことで、
あいつらにからかわれてだなー」


「え…?」


あぁ…だから…っ‼︎
なんて言えばいいんだよ⁈


「あん時もその流れでだな…
なんつーか…あいつらが面白がるから、
あぁいうふうに言っちまって…」


またそこでことばがつまってしまう。


「つーか…だから…‼︎」


今言わねーと…‼︎


もうこれしかことばが見つからない。




「おまえのコト好きだったんだよっ‼︎」





オレはゴチャゴチャ言うのをやめ、
単刀直入にすみれに言った。


「え…?」


「つーか、ガキの頃から…
今も好きだし…。」


「え…?」


「つーか、すみれ、さっきから、
”え?”しか言ってねーけど?」


「え…?…‼︎」


すみれはまた”え…?”と言ったあと、
自分でハッとしたように、
口を手でおさえた。


「はは…っ。また言ってやんの(笑)」


オレは思わず笑ってしまった。


「なんか…言ったら
スッキリしちゃったなー。」


すみれの返事は…
あんま期待できないよな。


これ以上気まずくならないように、
オレはわざと明るく言った。


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