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〜Lemon Candy Story〜

第46章 -運命-(及川徹)[完結編]


及川さんはわたしの頭からティアラを取って、
わたしに見せてくれる。


「ね?可愛いでしょ?」


「あの…⁈」


「檜原さん、眠り姫だから、
これがピッタリーって思って♪」


及川さんはまたわたしの頭に
ティアラを乗せると、
満足そうにニッコリしていた。


「あの、だから、可愛くないですし、
姫とかそういうの…‼︎」


及川さんを前にして出てくることばは、
相変わらずツンケンした可愛くないことば…。


そもそもこんなことされてしまっては、
調子が狂う。


「檜原さんがどう思ってても、
オレは檜原さんは眠り姫だと思ってるし、
オレは檜原さんのコトが好き。」




「…っ⁈」




わたしはまたキツく言ってしまったのに、
及川さんはどうしていつも
こんなにも優しいことばをくれるのだろう。


「ごめんね。
この前は気持ちが抑えられなくて、
思わず言っちゃったから、混乱したよね。
って、今も気持ちが抑えられなくて、
デートの初っぱなで告白してるんだけど。」


「…っ⁈」


わたしは、ベンチから立ち上がり、
及川さんを見上げて視線を合わせると、
及川さんはジッとわたしを見て、
わたしのことばを待ってくれていた。



もう…逃げちゃダメだ…。



「わたしも…及川さんが好きです。」


やっと気持ちを伝えることができた瞬間、
わたしは及川さんの腕の中にいた。


「…‼︎よかった‼︎」


「ちょっ…及川さん⁈…放してください!」


「なんで⁈だって檜原さんもオレのコト、
好きなんでしょ?付き合ってくれるんでしょ?」


「あ…あの…えっと…は…い…。」


抱き締められながら具体的に言われ、
ついあたふたしてしまう。


「ならいーじゃない♪」


「よくないです‼︎」


いくらなんでも、
昼間から公衆の面前で抱き合ってたら、
嫌でも目立ってしまう。


「しょうがないなぁ。
じゃあ、これで許してあげる♪」


及川さんはそう言うと、
わたしの手をギュッと握って、
お城のほうへ進んでいく。


及川さんはわたしを眠り姫だと言うけど…
わたしの手を引いて、
お城へ進む及川さんの後ろ姿は、
まるで本物の王子様のようだった。



---End---

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