第7章 -先輩-(黒尾鉄朗)
しばらく黙って歩いていたが、
すみれの家が近づいてきて、
ふとすみれが口を開いた。
「左腕…
ちゃんと家で冷やすんだよ?」
「すみれが冷やしてー。」
「…どうやってよ?」
「ん?
付きっ切りでオレに添い寝ー♪」
「バーカ。」
「それが惚れてる彼氏への
態度っすか〜?」
「…っ⁈で、でも‼︎
今日いきなりクロの家に行けないし!
あの…その…たった今、
付き合うコトになったわけで…」
「くくっ…♪」
本気にしてテンパるすみれはかわいい。
「…っ‼︎
あーー!なんで笑うのっ⁉︎もうっ。」
拗ねるすみれもかわいい。
「笑ってねーよ。」
「笑ってるもん。でも…
今日いきなりはムリだけど…」
「ん?」
あれ?まだ続けるのか?
「今度ご飯なら作ってあげる。
ちゃんと…栄養考えたヤツ。」
…っ⁈
「そりゃ、楽しみだな♪」
バレてないよな?
正直めっちゃ嬉しくて、
にやけてしまいそうだったが、
オレはなんてことないように答えた。
嬉しさが伝わるように、
繋いでる手にギュッと力を込めて…。
---End---