第6章 -長所-(菅原孝支)
「オレのコト好きなトコとか?」
「えっ⁈」
「違った?」
「あの…えっと…」
わたしは思わず菅原から目をそらしてしまったが、菅原はそれを許さない。
しっかりわたしの目を見て言った。
「オレは檜原のコト好きだよ。」
…っ⁈
「菅原…」
「ん?」
「数学…やる?」
「…?」
菅原は目を見開いてキョトンとしていた。
「菅原が言ってくれたわたしのいいトコ…」
「うん?」
「全部合ってるよ。」
「…っ‼︎」
「自分のコト後回しにしちゃうのがいいトコなのかはわからないけど…お菓子も菅原と食べたいし…肉まんは…1回くらいなら奢ってもいいかな。数学の宿題も教えるし…」
さっき目をそらしちゃったから、今度はちゃんと菅原の目を見た。
「菅原のコト…好き。」
---End---