第42章 -運命-(黒尾鉄朗)
-黒尾side-
「また会ったな。今日はご馳走してくれる?」
「………⁇」
ジッと彼女を見つめているが、
彼女はポカンとしたまま何も言わなかった。
やべっ…引かれたか⁈
つぅか、普通引くよな⁉︎いきなりこんな…
「あ…いや…」
「もちろんです!」
…っ⁈
オレが慌てて取りつくろうすると、
思いがけず、彼女が笑顔を見せてくれた。
「ずっと気になってて…。
この間のお詫びしたかったので!
何がいいですか?」
…っ‼︎やべっ…嬉しすぎる‼︎
…って、高校生のガキかよ…
「んじゃ、ショット追加の無脂肪ミルクの
トールサイズのカフェラテで。」
「…‼︎コーヒーお好きなんですね♪」
「…なんで?」
一瞬ハッとしてたから、
もしかしてあの時のコト、
思い出してくれたんじゃねーか…
そう思ったけど、現実はそう甘くはなかった。
「カスタムたくさんしてるから。
スラスラ言ってたし、
よく飲むんだろうなって思って。
じゃあ、買ってきますね。」
彼女は嬉しそうにクスクス笑いながら、
レジに行った。
さて…これからどうするか…。
カフェラテを飲み切るまでは、
彼女と一緒にいるコトができる。
でも、それじゃ次に繋がらない。
かといって、
ガキみてぇにナンパしたいわけでもない。
どぉすっかな…
「……しました。」
「…っ⁈」
「あの…?お待たせしました。」
オレがウダウダ考えていると、
いつのまにか彼女が戻ってきていて、
オレの前にカップを置いた。
「あ…どーも。」
「わたしもおかわりしちゃいました♪
同じの♪」
彼女はニッコリして座りながら言ったが、
座った途端、大きく頭を下げた。
「あの…改めて…
この間は本当にすみませんでした。」
「いや、別にほんとに気にしてねぇから。
頭あげてください。」
「でも…中身けっこう残ってたのに…」
こんなことしてほしくて
声を掛けたわけじゃない。
「その分、今日こぉやって
ご馳走してもらえてるし?
オレからするとラッキーだって♪
ココ、よく来るんですか?」
オレはとりあえず情報収集…?
じゃないけど、会話を広げた。