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〜Lemon Candy Story〜

第39章 -宣言-(大将優)


「優っ⁈ちょっ…」


駆け寄ってきた優は、
わたしの手からチョコの包みを奪い取った。


「これはオレのだ‼︎」


「ちょっ⁈優⁈何言って…⁈
だって、優は…」


「オレがなんだよ⁈」


「はぁぁ…おせぇよ。」


わたしと優の会話に割り込んだ黒尾くんは、
はぁぁっと大きなため息をついた。


「黒尾‼︎てめぇ‼︎」


「はぁぁ…男がうっさいよー?大将?
もぉちょっとおまえが遅かったら、
すみれちゃんからチョコもらえたのになぁ。」


黒尾くんはわたしのほうを見てニヤリとし、
わたしの頭をポンポンとしながら、
耳元で囁いた。


「頑張れよ?」


「おいっ‼︎黒尾‼︎離れろっ‼︎」


「んじゃ、オレ、帰るわ。」


黒尾くんは手をヒラヒラさせて、
体育館へ戻ってしまった。





優と2人きり…





どうしよう…すごい…緊張…する。


「黒尾のコト…好きだったのか?」


先に口を開いたのは優だった。


「べ…別にそういうのじゃ…」


「じゃあ、なんであいつに
チョコあげようとしてたんだよ⁈」


「…‼︎優には関係ないっ‼︎
わたしが誰にチョコあげようと、
優には関係ないでしょ‼︎」


ものすごい剣幕で詰め寄ってきた優に、
思わず強く言い返してしまう。


「関係あるんだよっ‼︎
オレ、今年はおまえのチョコしか
もらわねぇって宣言してんだからなっ‼︎」


「え…?」


優が…わたしのチョコ…だけ…?


でも、優…
好きなコからの本命チョコを…って…


「わざとおまえに聞こえるように
あんなトコで宣言したんだからな?」


それって…⁈


「…っ⁈で…でも、さっき…
2年生のコにチョコもらってた…」


思い出したら、また辛くなって、
下を向いてしまう。


「…⁈見てたのか⁈」


「優を探してたら…偶然…」


「もらうわけないだろ。
ちゃんと断った。さっきも言ったろ?
オレ、宣言してたし…
なぁ?コレ…勝手に奪っちまったけど…
オレへの本命チョコだと思っていい?」


優がわたしのチョコを
わたしの目の前に持ち上げたので、
わたしは優からチョコを受け取り、
もう一度優に渡して、
そのまま優に抱きついた。




「うん‼︎優…好き‼︎大好き‼︎」





---End---



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