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〜Lemon Candy Story〜

第39章 -宣言-(大将優)


はぁ…ほんとにどうしよっかなぁ…。


「すみれ、なにボーッとしてんだよ?
置いてくぞ?」


「…っ⁈ちょっ…待ってよ!」


部活終わりは、
優や皆と一緒に帰っていた。


皆でいても、
定位置になっている優の隣…


優はどう思ってるんだろう…


「すみれ、なんか今日静かすぎない?」


「そ…そんなことないよ‼︎
てゆぅか、近いーー!」


わたしが黙っていると、
優が顔を覗き込んできたので、
グッと優との距離が近くなる。


「…なんだよ。」


わたしは赤くなった顔を
見られたくないので、
慌てて優から離れたから、
優の小さな呟きに気付かなかった。


「そういえば、
檜原も昼休み聞いてた?」


いつのまにか隣にいた
広尾くんが声を掛けてきた。


「え?なにを?」


「こいつの自信過剰な
バレンタインの宣言。」


”なにを?”と聞き返したけど、
本当はすぐに見当がついていた。


「あぁ…。
聞いてたっていうより、
聞こえてきたっていう方が正解かな。」


「檜原は本命チョコあげるの?」


「…っ⁈」


思わぬ広尾くんのことばに
わたしは咄嗟に返事ができなかった。


「な…なんで急にわたしの話⁈」


「いや、なんとなく?」


うぅ…なに考えてるのか、
いまいち掴めない広尾くんの表情…


3年間同じ部活なのに、
相変わらずナゾすぎるよーー‼︎


「す…優は今年は、
バレー部の皆にあげるやつも
いらないんだよね?」


「はっ⁈なんでだよ⁈」


自分の本命チョコから話をそらしたくて、
別の話をすると、
優が噛み付いてきた。


「だって、宣言してたじゃない?
好きなコからの
本命チョコしかもらわないんでしょ?」


「いや…それは…その…」


「好きなコから…もらえそうなんだ?」


自分で言っているのに、
自分のことばに胸が苦しくなる。


優だってバカじゃない。


きっともらえる可能性があるから、
あんなこと言ってたんだと思う。


「優の分の予算が浮くから、
今年はいつもより豪華なモノ作ろうかな♪
何がいいかなー?」


優が何も言わないので、
わたしは苦しい気持ちを押し殺して、
他の皆に明るく話しかけた。




告白もしないで…失恋…かな。


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