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〜Lemon Candy Story〜

第38章 -月夜-(月島明光)


ちなみにそれから暫く
その部屋にいたので、
美味しいサンマご飯を作って
待っていてくれていた
バーテンのクロさんが
しびれを切らして呼びに来た。


「おーい?明光くーん?
美味しいご飯できてるぞーー?」


ドアの向こうからクロさんの声が聞こえる。


「月島さん、行きましょう?」


「えー?オレ、まだ2人でいたいけど?」


「…っ⁈えっ⁈あの…⁈」





ガチャ‼︎





「明光クン‼︎ウチの店ではそこまでー。」


「なんだよー?
せっかくすみれとイチャイチャしてたのにー」


…っ⁈
下の名前を呼ばれ、
思わず真っ赤になってしまう。


「オレが独り身で淋しいの知ってるくせに
嫌味っすかー?
つーか、せっかく作った飯冷めちゃうから、
早く食ってよ。」


ク…クロさんて…寂しがり屋?


「ふふ…クロさんて…
怖そうなのにかわいいですね(笑)」


「だろ?明光クンやめてオレにしとく?」


クロさんがニヤリとしてウインクしてくると、
月島さんが光の速さでわたしを抱き寄せた。


「クロー?いい根性してんなー?
すみれはオレのなのにー。」


会社で今まで見てきたのとはまた違う、
ちょっとブラックなような、
ちょっと子どものような、
初めて見る月島さんの新しい一面…。


今まで以上に頭の中が
月島さんだらけになってしまいそう。


でも、大好きが溢れるくらい、
もっともっといろんな月島さんを
これからたくさん知っていきたいな。


「あ…明光っ‼︎」


「…っ⁈」


勇気を出してわたしも下の名前で呼んだ。


「わたしが好きなのは…
あ…明光だけだからっ‼︎」


「…っ⁈
(不意打ちは無しだろ〜っ‼︎可愛すぎるっ‼︎)」









「ごっそーさん。」


バタン。



クロさんはため息をついて
部屋を出て行ってしまった。


「あーあ。クロが拗ねちまった♪」


「顔が笑ってますよ?」


「だってオレは嬉しいし?」


ニッコリ笑顔で明光が
わたしを抱き締めてくれる。


窓の外から見える大きな満月が、
名前の通り、
明るくてキラキラ光っている明光の顔を
優しく照らしていた。




---End---




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