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〜Lemon Candy Story〜

第38章 -月夜-(月島明光)


胸のドキドキがおさまらない。


ドックン…ドックン…って、
本当に心臓が
飛び出るんじゃないかと思うくらい…


月島さんのことばが頭から離れない。


会いたいって…
あ、「会いたい」って
言われたわけじゃないか…


でも…


「今から出てこいよ」


「オレの声も何もかも
忘れないようにしてやるから」


「会わなきゃ、あの絵文字みたいにヨシヨシってしてやれねーしな」


そんなこと言われたら、期待しちゃうよ…


どんなに深呼吸をしても、
この胸の高鳴りはおさまらない。


わたしは胸の高鳴りを抱えたまま、
月島さんの地元駅まで急いだ。


わたしの最寄り駅と
月島さんの最寄り駅は隣駅。


だから、去年まではよく一緒に帰ったり、
わたしの地元駅で飲んだりしていた。


でも、さっきの電話で
月島さんに指定されたのは、
月島さんの地元駅だった。


たったの一駅だけど、
その一駅がいつもより長く感じ、
電車の中でこっそり鏡をのぞく。



うん!大丈夫‼︎



自分にそう言い聞かせ、
わたしは電車を1番に降りて、
改札に続く階段を駆け下りた。



わたしが月島さんを見つけるよりも早く
月島さんがわたしを見つけて
手を振ってくれたので、
わたしは走って改札を出て、
月島さんのトコまで駆け寄った。


「そんな走って、元気じゃねーか♪」


ペチン‼︎


「いたっ‼︎月島さん⁈」


もちろん痛くないんだけど、
月島さんはいきなりわたしのおでこを
ペチンと叩いた。


なんでー⁈
ヨシヨシしてくれるって
言ってたのにー⁈


「オレの声忘れてた罰〜♪」


「えぇ⁈」


「ははっ♪」


わたしの表情からわかったのか、
わたしが何も言っていないのに、
月島さんはわたしの疑問に
笑いながら答えてくれ、
そのまま少し屈んで、
視線をわたしに合わせて…




「思ったより元気そうで安心した。」





…ポン






わたしの頭をヨシヨシと撫でてくれた。






( T_T)\(^-^ )














…っ⁈



し…心臓…飛び出ちゃうっ‼︎



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