第35章 -相談-(金田一勇太郎)****
「ねぇ…英ぁ…」
「あ?なんだよ?」
「英、冷たい。」
「は⁈いきなり人のクラス来て
なんなんだよ?めんどくせぇな…」
昼休み…
いつもは勇くんと過ごすけど、
今日は勇くんと別行動…。
ダルそうにお弁当を
取り出す英の前の席で、
わたしもお弁当を出した。
「ココで食べるの?金田一は?」
「…っ‼︎勇くんは…」
「あ〜♡すみれちゃんだぁ♡
国見、そんな冷たくすんなよー!」
英と喋っていると、
ちょうどそこを通った
英のクラスの林くんに
話しかけられた。
「はぁ…うるさい。」
「ほら〜!林くんは優しいなぁ。
林くん!ありがとー♡」
ニッコリして手を振ると、
林くんは教室を出て行った。
「はぁ…」
「なに⁈そのため息⁈」
タコさんウインナーに
フォークを刺しながら、
英は大きなため息をついた。
「おまえ、その誰にでも
愛想振りまくのやめたら?」
「…⁈別に‼︎
愛想振りまいてないもん‼︎」
「ほら、その感じ。
ぶりっ子っぽい。」
英はタコさんウィンナーを
頬張りながら、
とてつもなくひどいことを言う。
「ぶりっ子じゃないよー!」
「んじゃ、小悪魔?
(ま、その小悪魔ぶりに金田一も
ある意味惚れてっけどなー。)」
「小悪魔って…!ひどい‼︎
勇くんに言いつけてやるーー!」
「勝手にどうぞ。
つぅか、その金田一は
どうしたんだよ?」
「え…?あ…うん。」
わたしは卵焼きをグサグサと
フォークで刺しながら、
英に愚痴を話した。
「勇くんて…優しいよね。」
「そうかー?」
「そうなのー‼︎
もう‼︎マジメに聞いてよぅ!」
「はいはい。」
「わたしね、ほんとに勇くんのコト、
大好きなんだよ?」
「なに?のろけ?」
英はお弁当を食べ終わってしまい、
立ち上がろうとするので、
わたしはすかさず英の前に
塩キャラメルの箱を出す。
「はぁ…。別にコレ好きだけど、
だからってコレで釣られないって。」
…コトン。
わたしはその塩キャラメルを
くるりと裏返した。
「…⁈」
「沖縄限定雪塩キャラメル。
パパの出張のお土産なの。」
ジーッと英を見つめると、
英は黙って座り直し、
そっと塩キャラメルを閉まった。
国見英…ちょろいぞ♡