第4章 -夢中-(花巻貴大)*
「オレの…部屋…?
なんですみれが…?」
オレは自分の部屋で寝ていて、
ベッドの下にすみれがいた。
「なんでって…もう…ヒドイなぁ。
テスト前だから一緒に勉強しようって
貴大が言うから来たのに、
貴大、寝ちゃうんだもん。」
寝て…?……‼︎
「夢…かぁ。」
「なぁに?夢見てたの?」
「うん。」
オレはすみれを引き寄せ、
すみれの頭を撫でた。
「どんな夢〜?」
「すみれと初めて会った時の夢♪」
「えっ⁈」
そう…あれは夢だ。
実際はあのあと返信はちゃんときて…
むしろそれからほぼ毎日途切れず、
オレとすみれは意気投合して、
出会ってから、
3ヶ月後に付き合うコトになった。
「すみれ、可愛かったなぁ。」
オレはそのまますみれを
ぎゅーっとする。
「過去形〜?」
すみれがスネたように
離れようとするが、
オレはそれを許さない。
「今も可愛い♪」
…チュ。
「えへへ…よかった♪」
すみれはやっと
満足そうな表情をしていた。
「よし!すみれも寝るか?」
「ちょっ…貴大っ⁈」
オレはすみれを抱き寄せた。
「もう!勉強は〜〜⁈」
「そんなの後でいいだろー?」
オレは力いっぱいすみれを
ぎゅーっとした。
ぎゅーっとして、
すみれを感じれば感じるほど、
オレは幸せだなぁ…って実感して、
余計にすみれをはなせなくなっていた。
---End---