• テキストサイズ

〜Lemon Candy Story〜

第32章 -花火-(黒尾鉄朗)


①黒尾鉄朗×後輩マネ


トントンガチャ‼︎


「黒尾さんっ‼︎花火‼︎花火大会ッ‼︎」


「あん?なんだよ、急に…」


部室で着替えていると、
ノックと同時にドアを開け、
我が音駒バレー部マネージャーの
すみれがすごい勢いで入ってきた。


「あ…あ…すみれさんっ⁈」


「もう‼︎山本さん、いい加減、
わたしに”さん”付けやめてくださいよー‼︎」


ロッカーの前でカチコチになる山本に
すみれは何百回も言っている
台詞を言ってから、オレのほうに来る。


すみれは今年入ったばっかの1年。


でも、いまだに山本は、
すみれ”さん”と呼んでいた。


「すみれー!
ノックしたあと、
返事聞いてから開けろって
いつも言ってるだろ?」


やっくんがため息をつきながら、
いつものことばをすみれに言う。


「あ…っ‼︎ご…ごめんなさいっ‼︎
わたし、また…‼︎」


「すみれは一直線だからな。」


テンパって真っ赤になるすみれを、
海は父親のように見守っていた。


「黒尾さん‼︎
花火大会、行きましょーよ‼︎
明日‼︎皆で‼︎ね⁈」


「あ?花火大会〜?」


「コレですっ‼︎」


すみれが持っていたのは、
音駒川の花火大会のうちわだった。


たしか最近駅前で配ってたな。


「ふぅん…」


つぅか、けっこう誰が誰を好き…とか、
そういうのは勘がいいというか、
すぐわかるほうだけど…


こいつはたぶん…
オレのコト、好きなんじゃねぇか?


最近そう思う。


でも…


「せっかくの休みなのに、
ダルくねぇか?どぉせ混んでるし…」


花火大会…浴衣…悪くねぇ…
そう思ったけど、すぐにはOKしない。


「うぅ…そうですけど…」


こいつのシュンとした顔見るの、
けっこう好きだから。


「花火大会っ!!行きたいっ!!
いいじゃないですかー!!
黒尾さん、皆で行きましょーよ!」


「リエーフっ!そうだよねっ!
行きたいよねーー!」


「おうっ‼︎すみれの浴衣見たいっ!
あ!皆浴衣にしましょーよ!」


「しょーがねぇなぁ。
じゃあ、明日駅前に集合な。」



オレはすみれの頭をポンとして、
花火大会を了承した。

/ 579ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp